人物福祉

日本資本主義の父!渋沢栄一ってどんな人?

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福祉と資本主義を結び付けたい。 福祉資本主義を作り、障がい者の方が働ける環境を実現させたいんだ(ノ^-^)ノ

という事で、そもそも資本主義とは何なのか?というテーマで勉強をさせて頂いております。今日は、日本資本主義の父と呼ばれている、渋沢栄一さん(1840 - 1931)について調べてみました。

まずは渋沢さんのお言葉です。
「わたしがもし一身一家の富を積もうと考えたら、三井や岩崎にも負けなかったろうよ。これは負け惜しみではないぞ」 こう語ったと伝えられています。



財閥を作ろうと思えば簡単にに財を成すことができたんだ。しかし、おれは財閥を作らなかった。(資金管理的な組織はつくっています) この渋沢さん、どうして莫大な利益を追求しようと思わなかったのでしょうか?

そもそも、渋沢さんは農民の出身で、尊王攘夷(天皇を尊崇し外人を排斥)を主張する青年でもありました。その気質は過激で、本気で高崎城を乗っ取る計画をたて、のちに横浜の外人を襲撃しようと考えていたそうです。(周りの説得で断念しました)

身の危険を感じた渋沢さん。江戸へ行き、さらに京都へ行くと平岡円四郎という人物に近づいて、家来になる事で身の安全をはかる事となりました。実はこの平岡さん、一橋慶喜のブレーン的な存在で、やがて慶喜が将軍になると、幕臣(将軍直属の家臣)として渋沢さんを迎える事になるのです。

渋沢さんはフランスのパリ万博へ派遣されることになりました。(1867年)

そこで、ヨーロッパの資本主義を目の当たりにすると、攘夷思想だった自分の考えが粉粉に崩れってしまうのです。つまり、カルチャーショックを受け、排除ではなく海外の文化を受け入れる事こそが国益になると考えたのでした。(このヨーロッパで株式会社の制度を勉強する事になりました)

そもそも、江戸時代の経済はぜい弱で、貿易や鉱山などの大きな事業は、競争にさらされることなく幕府や藩が独占していました。 やがて、アメリカが日本に開国を迫ると、その軍事力に圧倒されるのです。

「これからの日本は欧米並みに強くならなければいけないんだ。その為には、製鉄や造船など様々な産業が必要になってくる。これらのものを強化するためには、欧米に習い、民間の力を活用するしかない。」

フランスで学んだのはサン・シモン主義という考えです。

ナポレオン三世がフランスを近代化に導くために用いた考え方で、
「貧乏人をなくすためには貴族が産業の中心にいるのではなく、労働者が産業の中心となり、銀行や株式会社を結びつけることで近代化を図った方がいい」 というものでした。

そんな状況の中、時代は江戸から明治へと移り変わります。渋沢さんはヨーロッパで学んだ資本主義の制度を日本に持ちかえると、近代国家の必要性を訴え、サン・シモン主義を実践するのでした。

そこで、第一国立銀行(現みずほ銀行)を手がけ、融資ができる体制を整えると、ここを拠点として約500ほどの会社の創設・育成に力を注ぎます。

しかし、渋沢さんはヨーロッパの資本主義制度を単純に取り入れたわけではありません。資本主義に、馴染まないとされていた論語を組み合わせる事で、道徳心を融合させた日本独自の経済発展を実現させようとしたのです。

渋沢さんが唱えたのは合本主義(がっぽんしゅぎ)という考えです。
一人の人間が多くの利益を独占するのではなく、利益を共有する事が大切なんだ。たくさんの人達が出資して、会社を発展させる事が日本全体の利益につながるんだ。

つまり渋沢さんは、個人が独占的に利益を得るのではなく、みんなが利益を得る事こそが日本の幸せにつながるんだ。こんな考えを持っていたのです。個人の利益ではなく、日本の将来を考えていたからこそ財閥を作らなかったのですね。

この考え方に反対したのが岩崎弥太郎さんです。

岩崎さん
「単一資本にして社長独裁の会社こそが国益につながるんだ」 向島の料亭で岩崎さんと話したとき、「二人で経済界の覇権を握り、富を独占しよう」 との誘いがあったそうです。

しかし、会社組織で富を分配した方が国益につながると考えていた渋沢さんは、岩崎さんの誘いを拒絶し、料亭を出て行ってしまったそうです。(1880年)

この二人、後に経済戦争へと発展します。
海運業を独占していた岩崎さん。西南戦争(1877年)の際、政府は紙幣をたくさん発行した為にインフレになってしまいました。 価値のない紙幣と決別した岩崎さんは、「銀がなければ乗せてあげないよ~」 と、独占のうまみに付け込んで、運賃が70パーセントほど高騰してしまったのです。

たまりかねたのが九州の実業家です!
船を購入して海運業を開始するのですが、岩崎はこの区間だけ激安料金に設定すると、ついに廃業してしまうのです。

お客さん達は困ってしまいました(´・ω・`)

不当な独占行為に渋沢さんは激怒します。
「合本主義の名のもとに、様々な会社に声をかけ、みんなで団結して新しい海運業を始めようではないか」 つまり、渋沢さんは個人の利益ではなく、社会の利益を第一に考えて行動していたのです。

お客さんは渋沢たちの行動に大喜びです(o^ー^o)

このように、渋沢さんは倫理(論語)と経済を結び付ける事で、日本の資本主義を発展させようと考えたのでした。

年功序列や終身雇用
従業員を家族同様に扱う日本独自の資本主義は、人を大切にしようと考えた、渋沢栄一の理念そのものが組み込まれているのかもしれません。

☆ 福祉資本主義を実現させるには、私利私欲に走るのではなく、渋沢さんのように社会の利益を優先させる事が大切なんだと気が付きました。凄く勉強になりましたm(__)m

渋沢さんの事がもっと知りたくなってきたぞ(ノ^^)ノ
次のページでは、渋沢が唱えた道徳経済合一説について調べてみたいと思います。

著者 出川 雄一(ツイッター)   障がい者の工賃を高める仕組み(福祉資本主義)を考え、実践しております。主に点字名刺・点字印刷・ハンドメイドなど。障がい者ブランド(ココリティ)の活動も行っています。

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